大岳山(1,267m、東京都)
  2005年10月23-24日(この頁) 2006年2月11‐12日

夕暮れの富士山

大岳山からの富士山

秋です

20年以上の友

マイナスイオン一杯

       山が呼ぶ。いつも呼ばれるような気がする。
       すがすがしくマイナスイオンいっぱいの新緑のころの林道。
       むせ返るような草いきれと滝のしぶきの夏山。
       お月見と紅葉の秋の山行。
       このたびは、少しご無沙汰した山に呼ばれたような気がして、秋の奥多摩、武蔵御嶽山、
       大岳山、そして日の出山を自炊小屋泊まりでゆっくり歩いた。

                                              (写真は携帯電話カメラ=クリック>>>拡大)



埼玉方面を望む

大岳山荘
閉鎖された。

都心方面の夜景
この100倍きれい

大岳山から朝の富士山

山あいの清流

マイナスイオンの飛沫

自然そのまま

世俗を忘れる

数少ない紅葉

冷たく美味しい

【紀行】
 2005年10月23日 
 数日来、天気図で気圧配置を確認し、気圧の動きも手元の気圧計でチェック。
絶好の気象環境の下、朝10時ごろ自宅発。
JR立川駅発11時少し過ぎ。
同御岳駅ホームのベンチにて降車客をやり過ごし、昼食。四方山。空気が美味い。気分最高。
 バスにてケーブル下滝本駅まで。そこから山家(やまや)としては少し恥ずかしかったがケーブル利用。
しばらく歩いていなかったので。ケーブルを降りた展望台からの頂上からの都心方向の眺望は、
これまでで最高。もう40年も前から何回も来ている。

 御岳山頂上(929m)の神社で商売繁盛と健康を祈念。
約2時間で本日の小屋、大岳山荘着(ほとんど崩壊寸前)15時40分頃到着。
日曜日だから客はいないのは覚悟していたが、小屋番もいなくて完全に無人小屋状態。
 ま、何とかなると思って、展望台で料理開始。この小屋は素泊まりのみOK。右に富士山、
左手には関東一円が望まれる。ここでの焼き肉、持参のビールが最高。人はいない。念の
ために明るい内に、小屋へ入り、勝手知ったる二階へ上がり布団を敷いておく。

 焼肉のほか、厚揚げを焼いて長葱の刻んだのをかけまわし、しょうゆを少したらして、
これもサイコー。あと芋がらを油上げと一緒に煮込んだもの。これは前夜の作品。
 薄暗くなって、気温も13度くらいで風もあるので、電気もない小屋へ入る。勝手にその辺に
ある携帯用ランプを灯し、どうしたものかと思案に暮れていると、宿泊客が来た。
彼は、この小屋の常連のようだ。三十代後半といったところ。

 彼の話によると、途中の林道で作業をしていた人が小屋番とのこと。まもなく帰ってくるという。
私はこの小屋に何十年も前から、ときどき泊まっている。昔はオーナーの爺さんがいて、この
人とは懇意にしてもらった。その後、個性派女優M風の女性の小屋番のときもあった。
 小屋番が帰ってきた。五十代半ばといったところ。

 私は食事は済んでいたが、彼らの食事を機会に、また持参の清酒(これはいただき物で大
吟醸を重量軽減のためペットボトルに詰め替えて持参していたが、あと100ccくらいしかない)を
始める。話が弾んで、これではたりなくて350ccの缶ビールを1本400円で2本も飲んでしまった。
悔しい。倍以上の価格だ。

 ここからの夜景は、香港、ナポリ、函館を凌ぐ、といっても言い過ぎではなかろう。これまでに
グループで案内した何人かの女性は、誰もが息を飲んだ。後ろを見れば、夜空に富士山が
浮き上がる。月も星も、それはそれは、今回のようにお父さんのひとり山行にはもったいない。
 
10月24日
 朝、自炊の味噌汁(具は、油揚げ、大根、長葱、全部切って持参)と持参した白ご飯、
好物の塩辛で軽く済ます。

 食事後、大岳山頂上へひと登り。約15分。標高1206.4m。眺望絶好。富士山抜群。
冬なら周囲の木の葉が散って関東一円、筑波山まで見渡せる。写真参照。
 小屋へ戻って、荷を背負い、昨日のコースを逆戻り。同じコースではさぞかし退屈と思いきや、
行きと帰りでは見る方向が違うので、違うコースを歩くがごとく、まったく新鮮な山歩き。気分上々。

 昨日、ケーブルを降りた辺りから日の出山(902m)への道をたどる。関東ふれあいの道に指定
されているコースで、森林浴を楽しみながら鼻歌気分で歩を進める。
ずっと緩やかな下り、または水平歩き。小学生でもらくらくのコースだ。

 日の出山頂上からの眺望も、関東一円を見渡せる。さいたま市の高層ビル街、新宿の高層ビル街、
横浜方面、そして光る相模湾。

 さて、後はひたすら下り、楽しみの「つるつるの湯」を目指す。ずっと下のほうに聞こえていた
沢の音が近くに聞こえるようになり、頂上から2時間ほどで「つるつるの湯」到着。

 「つるつる」というだけあって、湯に使っていると肌がつるつるになって、なるほど・・・と思う。
ストレッチングなどをして30分ほどで上がる。それ以上は、疲労に湯疲れが重なる。
 大広間の畳席では、地ビール、地酒にてんぷらそばセット(山菜の炊き込み御飯付)で
ジワ〜ッと至福のひと時。
 温泉の玄関前からJR五日市駅までバスがある。

 16時頃、自宅到着。
 大岳山荘を頂点とした上り下りのコースは、奥多摩駅の方へ降りるのが一般的。歩行時間約6時間
で、若い頃は、修行僧のように単独行でガムシャラに歩き回った。最近では、いわゆる中高年ハイク
を始めた旧友たちの要請で、きつくないコース、山を降りたら温泉があること、などの条件で、あちこち
へと案内した。山家からすれば軟弱極まりない山行だが、彼らと付き合って歩き、泊まると、それは
それで捨てがたいものがある。まさにユックリズムか。
 この度は、森林浴や滝周辺のマイナスイオンで気分一新でき、長時間の心臓の鼓動で、全身の血液を
ガンガンにポンプアップし、健全な汗をかき、心身ともにリフレッシュできた。
 快い筋肉痛のなかで、次にどの山へ行くかに思いを馳せる。